井戸尻カラス

井戸尻カラス 

井戸尻遺跡の周辺には3種類のくるみの木があります。オニグルミ、ヒメグルミ、シナノグルミです。

オニグルミは沢沿いに木がたくさんあり、そこら中に実が落ちています。こくがありとてもおいしいのですが、殻が非常に固く、うまく割ることができません。

ヒメグルミはハート形のクルミです。簡単に二つに割れ、味もよいのですが、なかなか見つけることができないのです。近所の人から数粒頂いて、初めてその存在を知りました。「どこにあるか教えない」とのことなので、自分で探そうと2日掛けて探しまわったのに発見できなかった貴重種です。

シナノグルミは農林試験所で改良した栽培種。大量に実がなり、粒が大きく、しかも簡単に割ることができる優れもの。おまけに、この辺りでは道端や別荘の端に植えられているので、そう苦労しないでも拾えます。(ただし、黙って拾うことに良心の呵責を感じなければですが) でも、いいこと尽くめではないのです。肝心の味が・・・ オニグルミに比べて風味が薄く、香りも食感もいまひとつ。

一長一短の3すくみの3クルミです。

一長一短の3すくみの3クルミです。        
でも、クルミは栄養価が高く保存が効き、料理にもつまみにも重宝します。身近にたくさんあるのだから放っておく手はありません。選ぶとしたら3つのうちのどれでしょう。
 やっぱり選ばれたのはシナノグルミでした。近所の住民からも、井戸尻カラスからもシナノグルミが拾われたのです。

人間は地上から、井戸尻カラスは空から、こっそりと。人間たちはさっさと袋に入れさっさと退散します。では、井戸尻カラスは? 

では、井戸尻カラスは?        

クルミをくちばしでくわえ、近くの電柱や民家の屋根の上で体勢を整えます。そして、舗装した道路の上空まで飛んで行き、地上5〜6mまで急降下。そこでおもむろにクルミを落とすのです。舗装道路に当たったクルミはみごとに真っ二つ。中身をくちばしでほじくり出して、味わいながら食べている様子です。

12月の初旬。あまりにたくさんの殻が落ちているので数えてみたところ、30mに58個も見つかりました。

井戸尻カラス              
中には、他のカラスが落とすのを潜んで見ており、割れたとわかるとさっと横取りするヤツも。横領したり、追いかけたり、ギャーギャー鳴いて脅したり。そんな騒ぎが年末まで続きました。

1月になり、クルミ騒動は終わりだろうなと思っていたところ、道路になんとヒメグルミの殻が落ちていました。「なに! あんなに探しても見つからなかったのに!」(カラスの方が我が家より井戸尻居住歴が長いとみえます。) 

カラスたちはシナノグルミを食べ尽くし、ヒメグルミに移ったのでしょう。でも、さすがに、ヒメグルミの殻は4つしか見つけられませんでした。  

井戸尻カラス

酷寒の2月。カラスたちは餌をどうやって手に入れているのでしょう。オニグルミはほとんど拾われることなく落ちています。道路には車も通ります。「お~い、井戸尻カラスくん。オニグルミを車に轢かせたら、中身が食べやすくなるんじゃないかい!」

5000年を遡ることができる縄文の里。クルミの活用にも長い長い歴史があるそうです。その流れの中で、井戸尻カラスがオニグルミを車に轢かせる文化はいつになったら見られるか、楽しみに待つことにしましょう。

是非、井戸尻考古館とともに井戸尻カラスを見にいらしてください。

 

 

(Written by 村上不二子)

 

※井戸尻遺跡・井戸尻考古館・井戸尻史跡公園の詳細は↓からどうぞ。
 井戸尻考古館ホームページ

 

 

今夏も富士見町の町民広場キャンプ場で、8月29日から31日までの三日間に渡るビッグイベント、「乙事(おっこと)キャンプ」が開催されました。
メインフロアーに作られた特設ステージを中心に、飲食・物販・クラフト作家の出店用テントと参加者の宿泊テントが、豊かな自然の中のキャンプ場いっぱいに広がりました。
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