近代日本でこれほどの大惨事が起こるなど、誰が想像していただろうか
大震災から3週間が経過したと言うのに、被災地では厳しい状態が続いている。
今も、苦しい日々を送られているみなさんには、伝える言葉さえ見つからない。
現場に駆けつけ、支援活動をしている皆さんには、本当にあまたが下がるとともに感謝の気持ちで一杯だ。
私が昨年お世話になった「えがおつなげて」では、「えがおつなげて募金」を募り、原発の脅威にさらされながら、相馬市内の多数の救護・避難施設のサポートに走り回っている大石ゆい子さんに寄贈する活動を行っている。
また、知り合いのきこりの若者達は、交代で石巻の災害現場で重機を操作する支援に駆けつけている。
こうした人たちにささやかながらのカンパをすること事くらいしか私には出来ない。
原発事故では、以前として終息に結びつく明るいニュースは聞けない。
今後、日本は何処へ向かうのだろうか。
これだけの大惨事を、余りに多くの犠牲を払ったこの惨事を、私達一人ひとり、どのように受け止めたらいいのだろう。
ありがたくも無事に日々を過ごしている私達は、この経験を生かし、未来を築いていかなければいけない。
私達の子孫に恥ずかしくない行動を取りたいものだ。
毎日ニュースを見るたびに暗くなる、そんな折、知人の上条さんから「ほうりの島」という映画会をする、との協力要請があった。
恥ずかしながら、まったく初めて聞く名前だった。
調べてみると、瀬戸内海に浮かぶ小さな島の住民が、27年に渡って、原発建設反対運動をしていることを知った。
私はその映画を見てはいないが、チラシの絵を見ただけでもそこにどんな営みがあるのか、容易に想像できる。
You Tubeで見た纐纈(はなぶさ)あや監督の話に胸を打たれた。
島の77歳・平萬次さんの天空に浮かぶ段々畑。
祖父の亀太郎さんは
「曾孫の時代になれば誰も引き継ぐ者はいなくなり、またこの棚田は原野に戻っていく。
人間の営みとはそういうものだ」と、語っていたそうだ。
しかし、棚田に毎日通って草刈をし、米を作る平さんの姿を見ていて
監督自身、段々畑が原野に帰る事など受け入れられない、と思っていた。
しかし映画を編集している時に、亀次郎さんが
「ちっぽけに自然の営みはいつか自然に帰ってくもんだ」
と、ずっと語っていてくれ「自然に帰っていっていいんだ」と、
監督の中にも入ってきた気がした、と語っている。
島は、人が住むには厳しい環境。
その暮らしの中で、共同体のつながりをはぐくんできた。
厳しさと豊かさが同等にある。
だからこそ、島の人たちは
人が作り出す原発は受け入れない。
自然に帰らない原発は受け入れられない。
原発問題は、私達のエネルギーや経済・政治につながっているけれども
一番初めに命の問題として捉えたい。
人間として、地球の一つの生物として、
どういうふうに、命を伝えていくのかを。
~纐纈(はなぶさ)あや監督の挨拶から抜粋~
この映画は、この大災害を教訓に、私達がどのように生きていくべきなのかを示唆してくれているのではないかと思う。
とき :5月8日(日) PM1;00~ PM4:00~
ところ :富士見コミュニティー・プラザ AVホール
チケット:一般・1,000円(当日1,200円、)高校生・70才以上・600円、中学生以下・無料
主催 :シネマの会&洗濯船
チケット取扱:あぐり今井書店・イチジュウ・キャトルセゾン
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★監督・プロデューサーのトークがPM3:00~あります。
主催者の上條悦子さんの弁です。
この映画は、「原発反対」の映画ではない。
何が正しいことなのか、決してくじけず守り貫くことの大切さを教えてくれている
『祝の島(ほうりのしま)』予告編
映画「祝(ほうり)の島」監督挨拶1/2
(written by エンジェル千代子)