八ヶ岳の山並みと、南アルプスの山系に挟まれた富士見町には、不思議な雲が現れます。
春から秋にかけて、そして、気温と湿度が高い冬の日に。諏訪湖のずっと先からやって来て、パノラマスキー場や釜無山に添って流れ、山梨県の韮崎方面に抜けて行きます。山梨県に入ってすぐの辺りで消えていくものもあります。年に何回かは南から北に動きます。
ある時は甲斐駒ケ岳が隠れる程上空を通ったり、ある時は釜無川の流れに乗っかるように低く動いたり、ある時は山脈の切れ目から伊那側の谷に流れて行ったり。
山村暮鳥の詩とは違って呑気そうではありません。「おうい富士見町の雲よ どこから来て どこまでゆくんだ」。
帯状の雲と町の人との関わりについては、また後日。
(雲の様子を動画でご覧いただけます)
(Written by 村上不二子)