真澄の富士見蔵が休戸で酒造りを始めてから30年になるというのですが、あまり知られていないので取材してみました。
この地に酒蔵を建てたのは、入笠山を水源とする伏流井水が豊富に得れることと、自然環境が良いことと、蔵人の出身地(富士見、原)に近いことが理由にあげられていました。現在は、24人の蔵人が働いているそうです。
10月 新米の入荷を待って真澄の酒蔵が動きはじめました。
これから早春までの七ヶ月間、杜氏さんや藏人達がまるで我が子を見守るような眼差しで醸すという真澄の酒造りをのぞいてみました。
①米選びと精米
真澄は、米農家と杜氏の共同作品と言われる程、原料のお米にはこだわっているそうです。酒造り専用に開発された高品質米だけを使っている。(みやまにしき、ひとごこち)
生産地や品種など素性が確かな新米しか購入しない。全量を玄米で買い付けて社内で、精米作業をおこなっている。精米では米を割らないようにゆっくり丁寧に時間をかけているそうです。
②洗米と浸漬
米の品種や用途ごとに浸漬時間が指示されていて、高級酒ほど吸水時間は短いそうです。
③蒸米
適量の水を含んだ米を蒸すのに外側を硬く、内側を柔らかくするのに苦労しているそうです。
④麹造り
蒸した米に麹カビの種を蒔き麹室と呼ばれる温室でカビを繁殖させ米麹をつくり日本酒の味を決めているそうです。
⑤酒母造り
酒造りの主役の酵母を育てる工程だそうです。
⑥仕込み発酵
三段仕込みで徐徐にモロミの量を増やしていくそうです。
⑦上槽
ゆっくり優しく酒を搾るのが大切だそうです。
⑧熟成のみきり
春三月、生原酒のまま貯蔵しておいた新酒をタンクから引き出し火入れをし「のみきり」というきき酒をしてびん詰め工場へ送られ来年夏には店頭に並ぶそうです。
どの工程を見ても息をのむような緊張感を味わいましたが、極上の真澄がどのようにして出来上がるか知ることができました。
(written by 樋口かよ)