富士見町には37集落があり、その、ほとんどの集落ごとに社会福祉協議会があります。
その活動は様々ですが、今回は山梨県に近い境地区にある池袋区(いけのふくろく)の社協の活動の様子をリポートします。
池袋の社協が目指しているのは、
「誰もが、自分らしく、共に支えあう地域づくり」です。
そのために、集える場所づくりに力を入れています。
そして、何よりも役員さんたち自身が楽しめる企画にこだわっています。
役員さんたちが一生懸命準備をして苦労ばかりで楽しめないのでは続きません。
役員さんたちの中から自分たちでやりたいことを出し合って、年間の事業を決めています。
どの地域でも居場所作りが課題となり、サロンを開催している地区が増えているようです。
池袋でも今年度から、一か月に一回、第一土曜日の午前中に「ちょっくら よらねぇ~会!?」を開催しています。
最初は少なかった参加者も少しづつ増えてきて、何よりうれしいのは、男性陣が囲碁をきっかけに集まりだしたこと。
そこで、3月は拡大版で一日サロンを開催することになりました。
基本的には通常のサロンを行いながら、地元のお料理名人に郷土料理教室と、手作り名人に牛乳パックを利用した椅子作り教室を開催しました。
まずは 郷土料理のメニュー です。
巻きずしとキャベツと煮イカの和え物、油揚げの袋煮。
講師の平出ひでみさんが、前日から巻きずしの具材を準備してくれました。
巻きずしの中身は、何と10種類!
揚げ・ごぼう・人参・ちくわ・高野豆腐・かんぴょう・しいたけは、前日にそれぞれ別に煮てくれました。それに加えて、でんぶとクルミと大葉が入ります。
さて、巻きずしのコツをご紹介
ご飯はちょうど、ごはん茶碗に一杯くらい。巻きはじめを手前にして、海苔の向こう側を2cmくらい残して全体に広げます。
中に入れる具はこんもりと盛るのがコツ。でんぶのようにパサパサなものは具の向こう側に置くこともコツの一つです。
ご飯を広げずに残した海苔に水を付けて、手前から一気にご飯で輪を作るように持っていきます。この時、思いっきりよく持って行くのがいいみたいです。
これだけ具が入っているのに、この美しい切り口、さすがです。
思わず、みなさん拍手〜
次にキャベツと煮イカの和え物
海のない長野ではお葬式などによくこの料理が出されます。塩イカのこともあります。
キャベツは一枚づつ剥がして洗い、切らないでちぎると味が浸みやすいそうです。
美味しいものを食べるためには手をかけないといけませんね。
煮イカは細く切って、この日は醤油と酢と砂糖で味付けしました。
ぎゅぎゅと少し力を入れて手でもんで味をしみこませました。
揚げの袋煮です。
冷凍保存していたモロッコインゲン、ニンジン、ゴボウ、エノキなどを、半分に切って袋にした油揚げに入れます。その揚げを湯呑などに入れて卵を落として口を用事でふさぎます。
こうやって並べて落し蓋をして30分くらい、ゆっくりと煮込みます。
野菜も入って、切り口もきれいです。
袋煮の材料が余ったので急きょ、もう一品教えてくれることになりました。
余った野菜を細かく切っておきます。
油揚げの3辺を切って大きく広げておきます。
小麦粉を水で硬めに溶いて、砂糖・醤油で味付けをして野菜を入れて混ぜます。
油揚げ、1枚に対して1/2カップくらいの小麦粉が目安です。
それを油揚に広げて、巻きずしのように巻いてかんぴょうや爪楊枝で止めます。
この日は、袋煮で残った煮汁を沸騰させて、焦げないように輪切りにした大根をなべ底に敷き、その上に巻いた揚げを入れて弱火で30分くらいに煮ました。
一緒に煮た大根と合わせて・・・
さすが地元のお母ちゃんの知恵袋です!
この料理は富士見町でもあまり見かけません。茅野市で作られると聞いています。
以前、富士見町の神戸区で教えていただいたことがあります。
その時は、広げた油揚げに砂糖を少し入れた小麦粉を粉のまま広げて、切った野菜を入れて巻きました。これは、本当にびっくりでした! お湯で40〜50分くらい茹でた後、味を付けた汁でじっくりと煮たと記憶しています。
同じ町内でも、所変わると伝わっている料理も違うのは興味深いです。
そして、別の部屋では 牛乳パックを利用した椅子作り が行われていました。
牛乳パック24個で椅子ができます。
切って開いた牛乳パックを三角形にして中に新聞紙を詰めてしっかりさせます。
それを合わせてガムテープでしっかりと合わせます。
お母さんはお料理教室に参加、椅子作りはお父さんの担当なんだそうです。
針目の美しいのには恐れ良いりました m(_ _)m
出来上がるとこんな感じになります。取っ手も付いてて便利です。
そんな傍らでは、囲碁の勝負が続いていました・・・
近所付き合いが煩わしいという人もいるようですが・・・
こんな集いの場がある集落に暮らして、つくづく幸せだと思います。
富士見町って、素敵でしょう???
(Written by エンジェル千代子)